スープを冷ますときは「フー」、寒い日に手を温めるときは「ハー」。
同じ息なのに、感じる温度がまったく違うと思ったことはありませんか?
実はこの「息の温度の違い」、ちゃんとした科学的な理由があるんです。
今回は、身近なのに意外と知られていない「息と温度の関係」を、豆知識としてわかりやすく紹介します。
なぜ「息の温度の違い」が起きるの?
ポイントは「フー」と「ハー」で感じる息の温度の違いは、息のスピードと拡散の仕方が違うからです。
口をすぼめて「フー」と吹くと、空気が勢いよく外に出て、すぐに外気と混ざります。
その結果、息の温度が下がって冷たく感じるんです。
一方、「ハー」とゆっくり吐くと、空気が外気と混ざる前に体温のまま届くため、温かく感じるというわけです。
違いは温度だけではない!
人が吐く息は体温とほぼ同じ約36〜37℃で、しかも水蒸気を多く含んでいます。
ただし、吐き方によって湿度の感じ方も変化します。
- 「フー」:速く吐く → 拡散して乾いた冷気に
- 「ハー」:ゆっくり吐く → 湿度が保たれて温かく
つまり、「息の温度の違い」はスピード×湿度で決まっているんです。
生活の中で使える豆知識!
実は、息の吐き方を少し意識するだけで、ちょっとした生活の不便が改善されることがあります。
たとえば「ハー」と吐く息は温かく湿っているのに対して、「フー」と吹く息は冷たく乾いている──この違いをうまく使い分けることで、次のような場面で役立ちます。
まず、メガネの曇り防止です。寒い日にマスクをしていると、息が上に抜けてレンズがすぐ白く曇ってしまいますよね。
そんなとき、「ハー」ではなく「フー」と細く息を吹くように意識してみてください。冷たく乾いた息がレンズにかかるため、曇りにくくなります。マスクの上部を少し押さえると、さらに効果的です。
また、スマートフォンのレンズや鏡を軽く拭く前に「ハー」と息をかけるのもおすすめ。温かく湿った息が曇りをつくり、汚れを浮かせて拭き取りやすくなります。ティッシュで乾拭きするよりも、短時間できれいになります。
さらに、冬の乾燥対策としても使えます。
「ハー」と息を手のひらに当てて温めると手肌に潤いを与えることができます。
外出先でハンドクリームを持っていない時など、簡単な応急ケアになります。
このように、普段何気なくしている“息の吐き方”にも、小さな知恵と工夫が隠されています。
意識して使い分けるだけで、日常が少し快適になるかもしれません。
まとめ
「フー」と「ハー」で感じる息の温度の違いは、
- 空気のスピード
- 拡散のしやすさ
- 湿度の保たれ方
によって変わります。
つまり、同じ息でも**出し方次第で性格が変わるというわけです。
もうすぐ冬の季節です。
次にスープを冷ますときや、手がかじかんだ時はこの話を思い出してみてくださいね。

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